とってんからりん

決して許したわけではない。

諦めたのだ。

自分の言葉が届かないと気づいた時、その言葉その感情その全てを飲み込もうと思った。

それが自分が自分の領域内で穏やかで平かに生きられる術だとわかったから、

ただひたすら傍観者になることでやり過ごす。

飲み込んだら傷ができて、時がたてばやがてそれはかさぶたになる。

とってんからりん、とってんからりん。

最期の最期、かさぶたはがし儀には、どんな模様の織物になっているのだろう。